2015年12月15日火曜日

はじめての市場出荷

里山樹働隊では悪い木を間伐して良い木を残します。

悪い木とは成長が遅かったり、曲がったり根元が虫に食われたような木です。当然大部分の材はチップ材にしかならないので、今は額田木の駅への出荷が一番多いですが、中には建築材として出荷できるものも出てきます。今回は建築材が大分溜まったので、地元の原木市場に初めて出荷しました。

林道沿いにためた建築材の山
内訳としては全てヒノキで、末口14㎝から16㎝が多く、一部大きいものでは18㎝~20㎝。3m材・4m材合わせて約50本、4立米です。市場までは業者に運んでもらいました。さぁ、上の写真を見てこれがいくらになると思いますか?

出荷した市場は毎月3がつく日に市があります。12月初旬に出荷し14日には明細が届きました。


内訳は以下の通りです。

 売上     47,707円 (平均単価11,347円/立米)
 市場経費    9,800円
 運搬経費  18,360円
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 差引精算額 19,547円

ということで、手元に入ってきたのは2万円弱でした。覚悟はしていましたが、思ったより安いなというのが正直な感想です。

自伐ならお金になるとは言いますが、実際に自分たちで出荷してみると決して簡単ではない現状を突き付けられました。

でもここで悲観的なことばかり言っても仕方ありません。

そもそもメンバーの多くはチェンソーを持ったこともない所から始めています。悪い木から伐っているし、今回は出荷量も少ないです(本当は同じ運賃でもう1~2立米は積める)。さらに売上以外に補助金も入ってきます。

もし5年後に同じ現場に入れば、残した木はそれなりに太っているしメンバーの技術も向上しているので十分お金になるでしょう。まだまだ伸び代はあります。

何はともあれ今回は初めての出荷。2万円だけでもちゃんと収入になったということを、素直に喜びたいと思います。

(からさわ)

2015年11月22日日曜日

悩みながらの搬出


11月15日&17日、軽架線による搬出を二日間進めて一通り出し終わることができました。

鈴木さんのトラックは橙色。どこにいても目立つ。
15日はメンバー・鈴木さんのお仲間・・・同級生や株式会社Dream少年の不破社長や中京大の学生さんなど、多彩なメンバーでの作業。17日は唐澤家3名での搬出でした。いろんなの方の手が加わって山が良くなっていきます。

Before写真。まだ林内にごろごろ転がってます。
軽架線で搬出中。効率は落ちるけど最低3人いればなんとかなる。

After写真。きれいになったでしょ?

どのサイズまで搬出するかはいつも悩みながら作業しています。山主が汗を流して何十年も育ててきた命。気持ちとしては余すところなく出して薪としてでも活用したいですが、あまり細い材まで出そうとすると極端に効率が落ち、メンバーや山主に回せるお金が減ってしまう・・・ジレンマです。

とりあえず木の駅にも出せない細い材は、ごめんよと思いながら林内に残しています。いずれ土となり、残された木の糧となっておくれ。

(からさわ)

2015年11月3日火曜日

優良柱材が出ました!


ふるさとまつりでの展示

額田林業クラブでは毎年11月に行われるぬかたふるさと祭りに合わせて、会員から丸太の出材を募って柱材として製材し、一本ずつ品質を格付け・値付けして優良材の展示をするという企画を行っています。

現在間伐している現場は枝打ちもされており、それなりに太い材も間伐しているので経験も兼ねて出材してみることにしました。



9月下旬に柱材用に切りそろえた丸太9本を出材しました。うち1本は直径が足りないとのことで、8本が製材にかけられました。

10月中旬にモルダーがけ(電動かんな)の作業があるとのことなので手伝いにいきました。全体では100本ほどの材が出材されており、流石みなさん気合の入った材を出してきていました。うちは納期がぎりぎりで、間伐した中から規格にあう材をばばっと出しただけなので、もっとちゃんと選別して出せばよかったと後悔。。。

モルダーがけの様子。材がつるつるになって出てくる。
美しいヒノキの木目。香りも抜群!

肝心のうちから出した材はどんな様子かというと、節の出てしまった材(価値が下がってしまう)が多かったものの、一部は綺麗なものもあり期待できそうでした。
今回出材した材。結構良いのもありました。

そして11月1日のふるさとまつりにて格付け結果が展示されましたが、なんとうちから出した材で1本だけ四面ともにきれいなものがあり、2万円という今年トップの値付けをされていました!

一本2万円!
完全なビギナーズラックですが、決して私たちがスゴいわけではなく、何十年も前に丁寧に枝打ちをしてくれた山主の苦労があっての成果です。

現在の現場。間伐は大分進んでおり、まだまだ出せる材はたくさんあるのだ。
他の7本の材は2000円~9000円までバラバラでした。造材の仕方や枝打ちの有無で10倍も差が出るのかと大変勉強になりました。来年は良い材をもっとたくさん出せるよう経験を積もう。
(からさわ)

2015年10月29日木曜日

搬出&木の駅出荷

10月12日は参加メンバーが多かったため、軽架線による搬出を進めました。

まだ架線の張り方に慣れていないので高過ぎたり滑車の位置が悪かったりで最初はもたもたしてしまいましたが、うまく回り出すと1時間で3~4m材30本くらいは出せるようになりました。一部は木の駅へ出荷。建築材になりそうな材もあるので、一部より分けて山土場にストック。

19日・27日は少人数だったため伐採をメインに進めました。この現場は伐るのは7割は終わった感じです。11月は一気に搬出します。多少は日当出せるかなぁ。

木の駅へ出荷。これで2トン弱かな。

軽架線による搬出の様子。

建築用の3m・4m材。まだ売り先未定。

2015年10月9日金曜日

ひたすら間伐&造材

9月29日と10月2日はひたすら間伐&造材しました。

徐々にメンバーの技術も向上しているので、かかり木になるケースも減ってきました。

今回の現場は1haありますが、尾根から尾根までの1区画(4反くらい?)はこれで伐採が終わったので次回は倒した分の搬出を行ってひと段落です。

里山樹働隊には林業女子が2人います

バサバサ玉切り中

玉切り完了!次回はどんどん引き上げます

2015年9月23日水曜日

木の駅出荷とトビ使いのおじいちゃん

9月21日(月・祝)は引き続き間伐と、一部木の駅への出荷をしました。

この日はメンバー鈴木さんのつながりで、知多で体験農園をされている季の野の台所 森川夫妻と、刈谷で障がい者支援をしているNPO法人青ねこくらぶ の松本さん、自作で電動機関車を作成されている奥田さんが見学に見えました。また、組手什の製造販売をされている長坂さんもお手伝いいただきました。色々なかたと情報交換しながら間伐した材の有効活用を一緒に考えていきたいと思います。

たまたま通りかかった地元のおじいちゃんも木の駅に出荷していて、一人で1tくらい出してました。トビを魔法の杖のように使いこなしかかり木を外す技も見せてもらい、目からウロコ!チェンソーの無い時代から木を伐っていたネイティブ自伐林家のノウハウは半端じゃない。

道の近くの材はウィンチで引っ張って木の駅へ

とりあえずバンバン倒してます。まだまだ先は長い。

2015年9月15日火曜日

軽架線による搬出

まだまだ間伐作業は続いていますが、9月12日・14日は練習も兼ねて一旦軽架線を使った搬出を行いました。

軽架線はNPO法人土佐の森救援隊が考案した簡易な架線集材で、私たちの様な小規模なチームにはちょうど良い搬出システムです。

林内作業車のウインチを動力に、ロープウェイのように材を引き上げます。
思い出しながらのセッティング、あーでもないこーでもないと時間がかかってしまい、
二日間で実際に動かせたのは正味4時間程度。それでも結構集まります。
こちらは柱用の3m材。11月に開催するぬかたふるさとまつりに、
額田林業クラブで出品するために準備しました。

2015年9月1日火曜日

かかり木処理に奮闘

8月31日は3名で間伐作業でした。

今入っている峠田という現場は1haのヒノキ林で、枝打ちまではやってあるもののその後はほとんど手が入っていない状態です。幸い林道が山の上下に入っているので材を出しやすい場所ではあります。里山樹働隊はここを数か月かけて間伐するのがデビュー戦です。

ヒノキは枝が粘るので、一度かかり木(倒した木が途中で他に木にひっかかってしまう状態)になると外すのが一苦労です。

これは狙い通りにうまく倒れました。50年生くらいなので太さはまぁまぁあります。

山主のよしみ先生。初参加ですが、チェンソー自体は慣れています。

これは上の方が二股で、案の定ひどいかかり方をしたので最後はチルホールで外しました。

カッコイイ写真。この日は今後広報で使えるようにちょっといいカメラで撮影してます。

これもかかり木!フェリングレバーではずせました。

作業後。ちょっとずつ明るくなってます。

2015年8月28日金曜日

はじめのご挨拶



里山樹働隊は自伐型林業(永続的に森林を管理しながら収入を得ていく地域に根差した林業方式)を通じて森林の再生と中山間地域での仕事づくりを目指す林業チームです。

愛知県岡崎市額田地域を拠点に森林整備活動を行い、伐り出した木材は出来るだけ用材や薪として有効活用します。

このブログでは主に活動内容の報告を行います。自伐型林業の考え方についても少しずつブログの中で紹介していきたいと思います。参考までに以下に設立主旨を転記します。皆さまのご理解、ご協力をよろしくお願い申し上げます。


里山樹働隊 設立主旨
平成27427
里山樹働隊 代表 唐澤晋平
1、目的
              ①間伐、森林整備を推進し、地域の森林環境を保全する。
              ②林業を地域の生業として再興する。

2、事業内容
              ・間伐、森林整備
              ・木材生産、薪の製造

3、活動方針

①安全の追求
安全講習の受講や防護具着用を義務付け、作業時は傷害・賠償保険に加入する。

②環境と経済の両立を追及
無償のボランティアではなく稼げる林業を目指す。ただし目先の利益に囚われず、長期的な展望から環境価値と経済価値を最大化する。

③協働作業
メンバーは雇う・雇われるという関係ではなく、各自が主体性と責任をもって活動し、労働量に応じて利益を対等に分配する。

④山主への還元
各種補助金や原木の売上を活動経費に充て、原則として山主への請求は行わない。逆に売り上げの一部を山主へ還元できるよう努める。

⑤継続した活動
              無理のない範囲で活動を行い、楽しみながら長く続ける。